会長より年頭のご挨拶
林 光政 会長
次世代の可能性に向けて
新年、あけましておめでとうございます。
会員、賛助会員の各社の皆さまにおかれましては、日頃より多大はご協力ご支援をいただいておりますこと感謝いたします。
皆様にとって2023年が良い年になりますことお祈り申し上げます。
さて、本年は日本照明家協会設立50周年の節目の年となります。
50年を記念しての催しも沢山予定しておりますが、これからの照明家協会の在り方が問われる年でもあると考えています。
協会が設立された1973年は日本が戦後復興から高度経済成長を遂げて、更に所謂バブル経済へ向かっていくスタートラインの年でもありました。その後の長い不況も含めてこの50年で、社会、経済の情勢は大きく変化して参りました。
照明家協会も照明家の地位向上という理念のもと、先輩諸氏の弛まぬご努力の甲斐あって、文化芸術を支える一端を担う職業として社会的に認知されてきたように思います。
又、技術的にも記憶式の調光卓、ムービングライト、LED光源等大きな技術革新の波があり照明従事者の仕事のありようが様変わりしてきた50年でもありました。
今、次の5年10年に向けて時代の変化に合わせた照明家協会の新しいビジョンが必要な節目を迎えているのかもしれません。
協会の大きな仕事は、全ての照明従事者が働きやすく、より良い仕事を作っていく環境作りであると考えます。
そのためには、協会の運営の世代交代、新しい若い人材や女性の参画や協力が不可欠に思います。実際に働く現場で起こっている様々な問題や課題だけでなく、未来に向けてどういうビジョンを示すべきか討議して広く情報を流布していく、そういった協会運営には現役の志ある若い世代のエネルギーが必要なのではないでしょうか。
又現在、さまざまな現場の照明従事者の半数以上は女性の活躍によって成り立っていると思われます。その女性の数が協会運営において著しく少ないのも現状です。
現在、いろいろな情報を広く手軽に共有できるようホームページの整備やネットワークの構築、会議のリモート化等、協会のデジタル化を進めております。
又、着実に課題に結果を出していくために理事や委員会の数、若い世代や女性の参画等に、具体的な数値目標を掲げて邁進していけるよう話し合いを重ねています。
目を外に向けますと、ウクライナ危機、東アジアの政治状況等、世界の情勢も激動の感を否めません。円安、物価高騰等、国内の問題も目が離せない現状です。そして4年目を迎えたコロナ禍も少しづつ収束の様相を見せているとは言えまだまだ予断を許さない状況です。
私たちの生活、仕事に関してもその影響下にあります。
他にも、今年から始まるインボイス制度の施行や労働時間の規格化の問題、安全に関するレギュレーションの問題等難問が山積しております。
協会としてもひとつひとつの問題に丁寧に対処してより良い環境を作り出せるよう努力していかねばならないと身の引き締まる思いです。
私たち照明従事者が文化、芸術、エンターテイメントの更なる発展に貢献できるよう、魅力にあふれ、若者たちが希望を持って創造の現場に携われるような環境を作っていけるよう協会は努力を惜しみません。そして皆さまの更なるご協力を切に願います。