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巻頭言


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照明家としての
       一体感を!!




         公益社団法人日本照明家協会
              会長 沢田 祐二



新年明けましておめでとう御座います。
 
会員の皆様方には、お健やかに新年を迎えられ心よりお慶び申し上げます。今年一年皆様にとってより良い年で有りますように願うと共に、どうぞ本年も協会活動にご理解、御協力のほど旧年にも増して何卒宜しくお願い申し上げます。
 一年の計は元旦にありと言いますが、それは私にとって年の初頭、この巻頭文を書くに当たって必ず当協会の「定款・第2章 目的と事業」を読み直すことです。定款には「本会は, 舞台及びテレビジョンの映像の照明に関する研究並びに知識の交換の促進に務め、照明家の資質と技術の向上を図り、もって芸術及び文化の高揚に寄与することを目的とする」と書かれています。果たしてこれまでの協会運営、活動は、この「目的」達成に少しでも近づく事が出来たのだろうか。5年前に協会事業の「活性化」を掲げ、新たな視点から会員目線に立っての様々な取り組みを行って来ましたが、会員を巻き込んでの渦になりえたのだろうか、マンネリズムに陥っていないか、積極性に欠け新鮮味に乏しいのではないか、独りよがりの独善的な運営になっていないだろうか、あれやこれやと考えますが私としては5回目の新年を迎えるにあたり、もう一度原点に戻り気持をリセットし「協会の目的達成」の為に会員目線に立った協会運営を、強い気持ちをもってあたって行く所存です。
 協会は北から南まで9つの支部から成り立つ全国組織です。この広い日本それぞれの地域の伝統、風土に魅力が有り、独自性が有って、それが日本文化を形成していると思います。それぞれの支部はその地域に根ざした独自の活動をしていますが、地方の疲弊は進むばかりです([まち・ひと・しごと創生(地方創生)法案]に大いに期待したい)協会としては地域の活性化の為の事業に更に力を入れると同時に、これまでの本部事業は東京本部(本部運営会議)が中心になって立案し、実行されて来ましたが、今後は各事業担当の委員会が支部の意見を積極的に吸い上げて、支部を巻き込んだ状況を作り、「日本照明家協会」としての一体感を共有する事が重要であり、このことが今後の協会発展の為の重要なポイントになるのではないか。
 地域活性化のもう一つとして今年の「舞台照明技術者会議」を2年間に亘って全国9カ所の支部所在地を廻ったように、今年は県庁所在地またはそれに準ずる所で開く計画です。講師に現役デザイナーをお願いし、座談会形式で地域の問題点を照明さん同士で話し合える場にし、演劇愛好者、学生さん達にも参加できるようにしたい。
 昨年11月3日文化の日に行った「照明家実勢調査」に関して全国の大勢の会員の皆様に御協力を頂き、誠に有り難う御座いました。これも支部の力なくしては実現出来なかた事です。「実勢調査」の結果は残念ながらこの稿執筆の11月25日現在私の手元に届いていないので論ずる事は出来ませんが、今後の協会活動に与える問題点が浮かび上がるのでと期待しています
 昨年は専門性について一歩踏み出した発言をしましたが、本来照明の仕事に限らず、俳優、歌手,ダンサー、演出家、装置、照明、衣装、音響、カメラマン等等あらゆる表現者は、それをやりたい人、それが好きな人、その事が得意な人たち誰でもやって良いんです。それを「やってはいけません」とは誰も言えません。しかし劇場の技術者と言われる人には現代の劇場技術の発展に伴う複雑な仕組みから、それを扱う人には高度な専門性が必要になるのでは無いだろうか。今年はこの問題を更に深めて行きたいと思います。
 今年一年、協会員が照明家として「個」の能力を高め、同じ思いを持つ照明家としての一体感が持てたらと願います。
 

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